通勤式エンタメレビュー|ホーム・アローン(1990)【映画】

エンタメレビュー

なぜか見ていなかった旧名作を今更見るシリーズ
最初のストレスを乗り越えて最後のドタバタを楽しむ映画

あらすじ・作品概要

シカゴに住むマカリスター家は、クリスマス休暇に家族旅行でパリへ行くことになっていた。しかし、出発の朝に停電でセットしていた目覚まし時計がリセットされてしまい、一家は慌てて空港へ。飛行機に乗り込んだものの、ひょんなことから末っ子のケビンが1人家に取り残されてしまったことに気づく。初めての1人暮らしに解放感を味わい、やりたい放題の日々を満喫するケビン。そんな彼の暮らす家を、2人組の泥棒が狙っていた。ケビンは家と自分を守るため、日用品やオモチャを使って泥棒たちの撃退作戦に乗り出す。
(映画.com)

監督: クリス・コロンバス

視聴時間: 103分

主演: マコーレー・カルキン


評価

映画の面白さ:★★☆☆☆

面白さの全てが、クライマックスの泥棒撃退シーンに詰まっている。しかし、そこに至るまでの家族間のやり取りなどが、大人の視点で真剣に観ると本当にストレスがたまる。

家族もちへのおすすめ度:★★★☆☆

終盤のドタバタ劇は、子どもが見ても理屈抜きで笑えるはず。ただ、親の視点だと「子どもを家に置き去りにする」「子どもが家を(取り返しのつかないレベルで)破壊する」など、教育上どうなのか?と少し考えてしまう部分も…。

総合おすすめ度:★★★☆☆

この映画の正しい楽しみ方は、「クリスマスにリビングで何となく垂れ流しておく」スタイル。真剣に向き合うと登場人物にイライラするが、BGMのように流し見すれば、終盤の楽しい雰囲気だけを味わえる。


感想・イチオシポイント

(ここから若干ネタバレあり)

【良い点】理屈抜きで笑える、終盤のドタバタ撃退劇

この映画の面白さは、やはり終盤30分の、主人公ケビンvs泥棒2人組の攻防戦に集約されている。

熱したドアノブ、階段に撒かれたオモチャ、ペンキ缶直撃など、もはやギャグ漫画。大人の泥棒たちが、子どもの考えたトラップに面白いように引っかかっていく様は、理屈抜きで笑える。ここは細かいことを考えず、ただドタバタ劇を楽しむのが正解。

【気になる点】親の視点で見るとストレスフルな登場人物たち

一方で、正直に言って泥棒撃退シーン以外は、観ていてかなりストレスがたまる。

まず、家族全員の性格が悪すぎる。兄はケビンをいじめ、両親は子どもの数を把握せずに旅行に出発し、それに気づいても母親以外はどこか楽観的。そもそも、あれだけの大騒ぎの中で誰一人としてケビンの不在に気づかない一家ってどうなんだ?

親の視点で観てしまうと、「これは育児放棄(ネグレクト)では…?」とハラハラしてしまい、純粋なコメディとして楽しめない時間が続くのが辛かった。

ケビンも家を破壊しすぎ・反抗的・犯罪(盗み)をしていると、少なくとも「いい子」ではない。誰にも感情移入はできなかった。

【本作のテーマ?】やんちゃ少年が「家族の大切さ」を知る成長物語

静かなシーンでは、一人ぼっちになったケビンが家族のありがたさに気づき、自立していく「成長物語」が描かれる。

おそらく、この映画の本来のテーマはこちらなのだろう。やんちゃで甘えん坊だった少年が、一人で困難(泥棒)に立ち向かうことでたくましく成長する。この成長があったからこそ、最後の家族との再会シーンが感動的になる…という感じ。

ただ、いかんせんキャラクター描写が強烈すぎて、僕は素直に感動できなかった。


さいごに:本作の正しい楽しみ方は「ながら見」である

色々と思うところはあったが、やはり泥棒撃退シーンは本当に面白い。

ただ、家中に接着剤を撒いたり、棚を破壊したりと、冷静に考えると後片付けが地獄のような状況なのに、家族は再会を喜ぶばかりでその点にはほぼ触れない。「感動したからOK!」みたいな力技で終わってますが、少しもにょります。

結論として、この映画は「よし、観るぞ!」と意気込んで視聴する作品ではなく、

「お、テレビで『ホーム・アローン』やってるじゃん。つけとくか」

このくらいの距離感で、リビングで垂れ流しておくのが一番楽しめる視聴方法だとおもいます。登場人物の背景や心情を深く理解しなくても、クライマックスのドタバタシーンだけで楽しめるはずです。

クリスマスシーズンのBGMとして、これほど最適な映画は他にないかもしれないですね。

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